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百五十八夜 §
2007-12-18 Tue 12:47
いつのまにか
私のまわりの人々は
人肉を食らうようになっていったようだ。

彼らの目の色が変わっているから、すぐわかる。
黒目が赤く、血の色になっている。

ある日、パーティーに招かれて
食卓に座った私の目の前に
綺麗な一皿が置かれた。
すべらかな白磁の皿に
艶々とした脂が浮いているスープ。
「極上ものよ」
主が微笑んだ。

食べなくてはいけない。
だが、手が動かない。
どうしたの?食べないの?冷めてしまうよ
周りの人たちが次々に私に話しかける。
そして彼らは
旨そうにスープを啜っていく。

ごめんなさい、私は小さな声でつぶやいて立ち上がった。
同時に
ざあっと、皆が立ち上がる。


どうして食べないの?
食べないなら
あなたをいただきます

囲まれていく。
だが、私には手が出せない。
鼻の先まで近づいているのだが
彼らは私には触れることができない。

「それはあなたが食べていないからだ」
逃げ帰った私に彼が言う。
食べた者はいつか食べられる。
そんなもんか、とうなずく私に
そんなもんだ、と彼は笑った。
ほんの少し、赤い目で。
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